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天井は傾斜し、吹き抜けになっている。
中央部だけに半分の高さまで壁があり、螺旋階段でその上の二階へ上がることができる。
だが、それらよりもさきに目に飛び込んできたのは、左側にあるコーヒーカップの遊具。
また、右には、ドラムやキーボードが並んだステージがある。
「まあ、これ…」T子さんの言葉はそこで途切れた。
「本当だ、これは、また…」私もびっくりした。
「よくできているなあ」しばらく沈黙が続く。
私は、ガラスケースの中の家、その室内を見つめていた。
細かいものも、すべて見覚えがあった。
室内だけではない、手前の屋外には、灰色の恐竜がいる。
コンクリートのオブジェだ。
周囲の森林も一部再現されている。
室内には人形がいた。
それらを一人ずつ見ていく。
コーヒーカップの手前では、年輩の男性が工具箱を広げて座り込み、機械を分解している。
右手のソファには、座って歓談している様子の二人の男性。
奥には、彫刻作品に向かっている女性が一人。
さらにもう一人は、ベッドのカーテンの中から顔を出していた。
中央の二階には、矩健に入り、なにやら書類を広げている真面目そうな顔の男性が一人。
今は宙を見つめ、つまりこちらへ視線を送っている。
ぼんやりとこちらを眺めて、なにかを考えているように見える。
その二階から橋を渡って、左奥へ行くことができて、そちらは、パイプの構造で作られた櫓の上にある部屋だ。
女性が一人、掃除機をかけているところだった。
そしここにあったのか、と何故か思い至った。
私たちの生活は、ここにあったのだ。
すべて、このドールハウスの中のことだったのだ。
なるほどな……。
からだその納得は、私の鉢に広がり、静かに震憾させた。
背筋がぞっとする。
鉢中が一瞬凍りつくように。
けれども、次の瞬間には、再び体温が戻ってくる。
私の鉢は、ぽっと発熱し、温かくなった。
そうか…。
て、彼女の近くに子供がいる。
小学生くらいの女の子だ。
T子さんは、そちらを指さして、私を見た。
私も彼女を見て領いた。
凄いとか、面白いとか、そんな感覚を超越して、なんだか、とても奇妙で、怖ろしさに近い感動が湧き起こった。
涙が出そうになったくらいだ。
私は、もう一度自分に焦点を合わせる。
なんとも間の抜けた、否、もっと良い表現でいえば、のんびりとした顔ではないか。
笑いたくなった。
そういえば、ここだったな、という懐かしい思い。
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